【3000文字チャレンジ】転生したら電鉄会社の社長になってた件

【3000文字チャレンジ】転生したら電鉄会社の社長になってた件

3000文字チャレンジ!! お題「電車」「マンガ」

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(ポッポー!!)
「社長のみなさん!5月ですよ~!」

能天気な声でアナウンスが流れる。

気付けばもう5月か。景況感が徐々に上がってくる時期だな。

最短で目的地を目指すか、青マスで現金を増やすべきか、カードを取りにいくべきか。

 

来る月も来る月も、どこかの誰かさんが設定した「目的地」を目指してサイコロを振り、出た目の分だけ電車を走らせる日々。

この世界に来た時は、何が何だか分からなかったが、5年目くらいでこの世界のルールが一通り分かってきた。

 

どうやら、この世界には俺と同じように金を増やすことを目的に日本全国を走り回っている奴が他にも3人いるようで、参加者の中で誰が一番資産を多く増やせるかを競いあっている。

設定された目的地=駅に一番早く付いた奴は、その駅の地元民から祝福され多額の援助金をもらい受けることができるんだが、その額は数億円にも上る。

一瞬で億万長者だ。

いただいた援助金で名産品などを扱っている物件を購入すると、その物件に設定された率の収益を3月の決算月に得ることができる。

 

先月買った出雲駅の出雲そば屋は1000万円×8件で、収益率は50%だったな。

その駅で買える物件を全て買い占めると、収益率は2倍に跳ね上がる。

何とも美味しい話じゃないか。

ビッグマネーでのゲームはとても愉快だ。

しかし、まぁそんな甘く金儲けが簡単にできるってだけの世界でもない。

 

設定された目的地の駅に誰かが到着した時点で、一番離れていた奴の元には頭モジャモジャでエロ目、ふんどし一丁姿の貧乏神がとり憑く。

これがとても厄介だ。

勝手に持っている物件を売ってしまったり、カードを倍額で買ってきたりといらんことをするからこいつに憑かれることだけは避けなければいけない。

貧乏神はいくつかの姿に変身する。

中でもキングボンビーという極悪な貧乏神に変身してしまうと、数億円もの現金を捨てさせられるなんていうのは序の口で、全てが高額マイナスマスの最凶最悪の星「ボンビラス星」へと連れ去られて延々と借金が増えていくというエグい地獄を見ることになる。

数年をかけて築き上げてきた資産が一瞬でマイナスになっていくのは、想像するだけでキン〇マが縮み上がる。。

 

貧乏神は憑りつかれている奴との一瞬の接触でなすり憑けられてしまう。感染確率は100%だ。

マスクをしていて避けられるようなもんでもない。

貧乏神に憑りつかれている奴は血眼になって、誰か他の参加者に憑りつかせようと躍起になって追ってくるんだ。

油断もスキも無い、まったく怖ろしい世界だぜ。

 

 

 

俺がこの世界に来てもう二十年が経つ。

と言っても、毎月やることと言えば、ただただサイコロを振って進むだけの単調な作業の繰り返しだ。

体感時間としてはまだ半日くらいに感じるが・・・何だか時間の流れがめちゃくちゃだな。

 

この世界には大別すると物件が買える駅マスと、お金が増える青マス、お金が減る赤マス、カードが貰える黄マスがある。

この世界のカードというのが不思議で、サイコロが増えて進めるマスが増えるものから、ヘリコプターで一気にぶっ飛べるもの、そのカードを引くだけでエンジェルが付いてくれて毎月お金が貰えるもの、その逆の効果をもたらすデビルカードなんてものまであり、その数は数えきれないほどだ。

中には他の参加者に危害を加える、悪魔のようなカードまである。

ただただ自分の資産を増やすための行動を取っていれば、それがどれだけ悪逆非道な行いであったとしても、何も責められない、むしろそうしない奴がバカを見るというシンプルなこの世界は俺にとっては心地いい世界だ。

そんな俺みたいな奴のことでも、「社長」と呼んで崇めてくれるこの世界は、元居た現実世界よりもとても居心地がいい。

 

元居た世界なんて言うと、異世界転生系のマンガのような展開だな。

ああいうマンガはだいたい元居た世界では普通だと思っていた能力が、異世界ではチート級の能力として開花するわけだが、残念ながらそこまでの能力は俺にはなかった。

だが、俺にはサイコロの1の目を高確率で出すことができるという特技がある。

 

この世界で目的地の駅に入るにはぴったりの数を出す必要がある。

残り3マスの時に4を出しても目的地には停まれないってことだ。

そんな時に高確率で狙った目を出せるという特技はとても役に立つ。

 

俺は元居た世界では地方にある三流大学に通う大学生で、毎日大学の勉強も遊びもそこそこに、コンビニでバイトしているだけのどこにでもいる男だ。

役に立つような趣味も特技も持ってないが、マンガを読むのは昔から好きだった。

中でも中学生時代に読んだ「哲也ー雀聖と呼ばれた男ー」という麻雀マンガが好きで、主人公の哲也と師匠の房州さんがコンビ打ちで仕掛ける「2の2の天和」というイカサマ技に痺れて、(麻雀自体はしたことないが)2つのサイコロを振って1のゾロ目を出すことだけを練習しまくったことがあった。

学校にいる間もずっとサイコロ2ヶを振り続け、女子たちに変な奴を見る目で見られながらも、ついに俺は奥義を会得したんだ。

今思えば、中2病まっしぐらだな。

暗い目をしながらずっとサイコロを振り続けている奴はどう見てもヤバイだろ。

おかげで「ピンゾロのイサミ」なんていうニックネームまで付いてしまった。

あ、イサミは俺の名前だ。よろしくな。

 

全く無意味なあの練習がこうして今、この世界に来てから役に立つなんて、不思議な巡り合わせがくるもんだ。

 

そういや、俺がこの世界に来た経緯だが、コンビニのバイト終わりで家に帰ろうと駅のホームで電車を待ってたら酔っ払いにぶつかられて線路に落っこちたんだ。

あの酔っ払いだけはマジで許せねぇ。今のご時世に、頭にネクタイ結んで上機嫌な昭和の酔っ払いに突き落とされてジ・エンドなんてほんとに笑えねぇ。

運悪くそのときに特急電車が通過して・・・・「あ、、、俺死んだな。」と思ったらこの世界に飛ばされていたんだよなぁ。

 

だからここは天国とか地獄とか呼ばれるところなのかもしれない。神様(貧乏神)もいるしなぁ。。

いや、けどこんな死後の世界いやだわぁ・・・いや、ゲームみたいで楽しい世界ではあるんだけど、ずっと金稼ぎのためにあくせくサイコロ振って目的地を目指さなきゃいけないんだろ?

もうちょっと落ち着いた死後の生活(?)ってのを楽しみたいもんだぜ。

 

 

おっと、そうこうしている内に他の参加者が目的地に着いたみたいだな。

 

「さくま社長が目的地の岡山に一番乗りで~~~す。」

 

チッ。また、さくま社長が持っていったか。

冷静にリスクを回避しつつ、場面場面で一番効果的なカードを駆使して、順調に総資産を増やしていってやがる。

しかもとうとう超高額物件「桃太郎ランド」まで手に入れやがった・・!!

ちょっと強すぎやしないかい。

めごっちと月に行く~とか言ってた全盛期の前澤社長並みに強い。

巷で噂のスリの銀次が現れて持ち金の半分盗むか、独占している駅にドジラでも現れて焼き払ってくれたら良いのに・・・・。

 

 

再度アナウンスが流れる。

「そして今回貧乏神が憑りついてしまうのは・・・きんたろう社長さんです!貧乏神との旅をたのしんでくださ~~~い!」

 

きんたろう社長、、、ずっと貧乏神憑いてるな。

なんでずっと北海道から出てこないんだろうか・・・。まぁ、あんな奴のことは置いておこう。

 

「次の目的地は埼玉に決まりました~。さぁ、みなさん、埼玉に向かってがんばってくださーーーい。」

 

次は埼玉か。

なぜか「翔んで埼玉」のGACKTと伊勢谷友介のキスシーンが蘇ってきてしまった。。。

いかん、いかん。BLに興味はないのだ。

 

今は中国地方にいるから、交通系カードを使えば3~4か月のターンで近くまでは行けそうだな。

よし、さくま社長に負けてはいられない。

次は一番乗りキメてやろう!!

 

 

その後、思惑通り「のぞみカード」や「新幹線カード」を使い、5、6、7月と移動を続け関東まで来た。

だが、しかし!

あと1マスで埼玉だ、という時に、残る一人の参加者であるうらしま社長が「わからずやカード」を使いやがった。

「わからずやカード」は目的地を変えてしまうカードだ。

あいつめ、俺が1の目を高確率で出すことを見抜いていやがったな。

 

ルーレットが回り、目的地が変更される。

 

「新しい目的地は・・・・」

 

もう目の前にある埼玉駅を見つめながら、悔しさを飲み込み、アナウンスを待つ。

 

「エロマンガ島駅で~~~~す!!」

 

・・・なんだ、その島は・・・?

 

いつの間にそんな駅が出来やがった?

島ってことはフェリーでいくのか?

いや、飛行機か?

 

っていうか、何?

その男心をくすぐりまくる名前?

エロマンガ島・・・・まさに夢の宝島じゃねぇか・・・・。

 

次とその次とその次と線を引き続けた
次の目的地を描くんだ 宝島

ってこれはサカナクションの新宝島ァアッァア!!!

丁~寧丁寧丁寧に~♪のヤツ!!!

うん!好き!!大好き!!!

 

 

おっと、、、やべぇ。エロマンガ島という言葉だけでテンションが崩壊しかけやがった。

 

マップを確認するとハワイより更に先にある島だ。

成田空港から飛行機移動か。

 

他の参加者より俺が一番近いな。

これは一番乗りを目指すっきゃない!!

ハートを磨くっきゃない!!

飛べイサミ!!!

懐かしい!!このネタ分かる奴おるんかいな?!

 

 

また数か月のターンを重ね、季節は冬になっていた。

迂回路のない海上の航空路はお金を取られる赤マスを避けようがなく、数億単位で金が減っていく・・・ツライ。

冬のマイナス駅は厳しい。

しかし、エロマンガ島までもう少しだ!!

幸いまだ誰にも追い抜かれていない。

 

と思った矢先、さくま社長が「千載一遇」カードを使ってヘリコプターで飛んで来やがった。

「千載一遇」カードは「千載〇遇」のスロットが回り、〇の部分に一~九までの数字がランダムに入って、目的地からその数字分離れた場所まで移動できるという超絶便利なカードだ。

 

さくま社長の出した目は「千載八遇」。俺の後ろ2マスのところに付きやがった。

やるじゃんなかなかやるじゃん。やるじゃんあいつ。

ばちばちっと火花、飛ばしてみるか。

 

激しいデットヒートだ!!負ける訳にはいかない!!

 

1月、さくま社長が出した目は3、残り5マス。
俺は2を出して残り4マス。やばい追いつかれる。

ハワイまで追いかけてきていたうらしま社長は、スリの銀次の被害にあって300億円以上取られていた。

遠い北海道の地では、きんたろう社長がボンビラス星へ連れていかれた。

二人ともご愁傷様です。

 

2月、さくま社長は3を出し、残り2マス。
俺は5を出してしまいエロマンガ島ゴールならず1マス戻る。

しかし、リーチだ!!!

次のターンでさくまがゴールしなければ1を出して俺の勝ちだ!!!

 

 

(ポッポー!!)
「社長のみなさん!3月ですよ~!」

3月、決算月!!

さくまと俺の最終決戦月!!!

さくまがゴールにするには2の目のみ!!

確率は6分の1!!

 

出すなよ!出すなよ・・・!!!

 

いや、待て。このワードはやばい。

 

某お笑いトリオの鉄板ネタの流れになってしまう。

 

無心だ。無心で待つのだ。

 

さくまのサイコロが静かに振られた。

コロコロと転がるサイコロ。

一瞬の時間が永遠にも感じられる。

コロコロ・・・コロ。

 

出た目は・・・4!!!!

はっはーーー!!!エロマンガ島駅上空を旋回して2マス戻りやがれ!!

このすっとこどっこい!!!

おとといきやがれってんだ!!

バーカバーカ!!

お前の母ちゃん、天ぷら揚げるのへーたくそーー!!

 

はぁ!!愉快愉快!!!

最高にハイってやつだ!!ウリィィィィィィイイイイイイイ!!!!!

 

エロマンガ島の秘宝は全て俺がいただくのだ!!!

あーーーんな物やこーーーーんな物がたくさんあるはずだ!!

なんたって「エロマンガ島」だぜ!?男の欲望が掻き立てられるぅぅぅぅ!!

 

いくぜ!!

 

ピンゾロのイサミをなめんなよっ!

ましてやサイコロ1つの1の目を出すなんて、俺にとっては造作もないことっ!!!

 

うりゃっ!!

 

コロコロコロコロ・・・コロ。

出たッ!!!!

1だっ!!!!

 

約束された勝利!!

我こそが勝者!!!

 

「イサミ社長が目的地のエロマンガ島に一番乗りで~~~す。」

 

ふっふっふ!!褒めよ讃えよ!!!皆の者!!!!

そうだ我こそが勝者だ!!!

 

「イサミ社長には、7億2100万円の援助金が出ましたーー!」

 

おおっ、なかなかの額ではないか。苦しゅうない、苦しゅうないぞ!!!

 

さぁ、お目当てのエロマンガ島の物件購入と参りますかのぉ。

 

にやにや。

 

いかんいかん、にやにやが止まらない。

 

あーーんな本やこーんな本あるのかなー。

 

中にはBL物もあったりして~~むふふふ。

 

・・・ゴホンオホン!!(咳払い)

別にBLに興味があるわけじゃないんだよ!!

いや、ほんとだよ!!ないよ!?

 

 

さぁ、どんな物があるのかなぁーワクワクテカテカ。

 

 

 

→物件購入、ポチ。

 

 

物件名   価格   収益率

やしの実畑 3000万円  5%
やしの実畑 3000万円  5%
カカオ園  3000万円  5%
カカオ園  3000万円  5%
マンガン鉱山    1億円  5%

 

 

 

・・・・・うそやろ。

男の夢返してや。。。

 

 

エロマンガ島のばかぁぁぁぁぁああぁああああ!!!!!!!

 

 

おしまい。

 

 

 

やーさん

最後までお読みいただきありがとうございました!

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