【3000文字チャレンジ】さんまが消えた?2019年の秋

【3000文字チャレンジ】さんまが消えた?2019年の秋

【3000文字チャレンジ】 お題:秋

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ちょっと奥さん!

今年、スーパーの鮮魚コーナーにさんま並んでなくないですか?

「食欲の秋」。秋の味覚を代表する魚の一つである、さんまですよ。

秋刀魚とかいてさんまですよ。

正に今!食べたいさんまですよ。

 

個人的にめちゃくちゃ好きなんですよね、さんま。

毎年秋には週1ペースくらいで食べていました。

調理方法は焼き魚で。

シンプル イズ ベスト!!

 

 

さんまとの勝負(?)は買うところから始まります。

スーパーで鮮魚コーナーにどさっと置いてあるさんまの群れから、出来るだけ大きくて、目が濁ってなくて、口あたりが黄色くて、肩がぼこっと盛り上がってるやつを選びます。

 

1尾100円前後で気軽に買える魚と言えど、少しでも美味しい個体を選びたいので、真剣に目利きをします。

 

家に帰ってきたら、いざ調理!!!

 

① 生さんまの場合、少し塩を振ります。

② キッチンに備え付けのグリルにさんまを並べます。

③ グリルに点火します。

④ 10分ほどで両面焼きあがり。

⑤ 大根おろしなどを添えてお皿に盛り付け(置くだけ)ます。

 

はい、超簡単に焼きさんまの出来上がり!!

両面焼き対応のグリルって本当に楽ちん。

焼き魚用の設定にしておけば、ちょうど良い焼き加減で焼けて、自動で火も消えてくれるから焦げる心配もないし最高ですね。

魚を焼くハードルがぐんと下がりますよ。

 

で、焼きあがったさんまですよ。

頭を左に向けて置いてね、添えた大根おろしに少し醤油を垂らしてね。

ところどころ良い感じの焦げ目がついて、じゅわじゅわと脂も浮き上がってきてて、見た目からして美味しさを感じますよ!!

香りも最高ですよ。あーーー!秋だなぁって感じさせる、あのさんまの焼きあがった香り!!たまらんですな!!

 

まぁ、香りを楽しむのであれば、グリルよりも七輪なんかで炭火の香りを纏わせながら焼く方が何倍も美味しい香りを感じられますよね。

赤く熾った炭に、ぽたりとさんまの脂が落ちて、じゅわっという音と共に上がる白煙。

秋の夕空に昇って消えていく煙と香り。

山に帰っていくカラスを見送りながら、縁側に腰かけて、お気に入りのおちょこに入れた辛口の日本酒を飲みながら焼きたてのさんまを肴に一献。

 

 

なんや、これ。たまらんな。

 

 

書いてるだけで、飲みたくなってきました。

 

 

箸を入れた瞬間に少し湯気を立てながら、ほろりと外れてとれる柔らかくジューシーなさんまの身。

口に入れると、しとっ、ふわっとした触感と程よい塩気、そして広がる脂の旨味。

醤油のかかった大根おろしを添えて食べるとまた格別の味わい。

 

細かな骨に注意しながら食べ進めていき、半身をまるまる食べ終わったときに出会うのが黒々ときらめく内臓ですよね。

こどもの頃は食べられなかった内臓。グロテスクな見た目、そして苦みから敬遠していた内臓。

 

苦いとばかり思っていたこの内臓に秘められた旨味を感じられたのは、20歳を超えてから。

一度あの味を覚えてしまうと、もう内臓こそがメインじゃないかと思うくらいに食べるのが楽しみになりますね。

 

何かたまに赤いひも状の虫(ラジノリンクスって言うらしい)がいたりもしますが、食べてしまっても特に問題はないようです。

あと、栄養も豊富で、中でもレチノールという栄養素は美肌効果があるそうですよ。

 

 

食べ終わったあとのさんまは、頭と背骨のみを残す姿。

もうマンガで書かれた魚の骨状態。

「あんた、えらいキレイに魚食べるねぇー!」とおばちゃん方によく褒められます。

褒められる度に食べるのが上手になっていくシステムを採用しているので、もうぼくの「さんまをきれいに食べる」レベルはカンストしています。

 

はぁぁぁ、さんま食べたい。

 

こんなにも愛して止まない、秋にはないと困るさんまがスーパーに並んでないんですよー!!泣

 




 

度々、ニュースでは聞いていました。年々さんまが不漁になっていると。

 

水産庁の資料を見てみると、北太平洋における日本のさんま漁獲量は、2008年には35万トンあったのが、2017年には過去半世紀で最低量の8.4万トンとなっています。

10年で卸値は一時倍近くまで高騰。

庶民のお魚さんからレベルアップ!!そんなレベルアップはいらん!!!いらんぞーー!!

 

 

原因は、海洋環境の変化と乱獲。

近海での日帰り操業が主流の日本に対し、台湾や中国は冷凍設備のある大型船で公海まで出向き、大量捕獲する手法をとっているそうです。

これまでさんま食が一般的でなかった中国でも、手ごろな食材として急速に消費が拡大していると言います。

中国ではさんまは塩焼きではなく、かば焼きなどの加工品となって大量に流通しているようですね。

 

「あー、かば焼きでも美味しそうですねぇ。」

「いやー、でもやっぱりさんまは塩焼きじゃないでしょうかねー。」

「何でも、日本近くまで来ていないさんまはそんなに脂ものってなくて小ぶりらしいですよ。」

「あー!だから味付けを濃くして、加工品にして流通させるんですねぇ。」

「らしいですわー。」

「まぁ、そんなに美味しいさんまを食べているわけじゃないなら、大目に見てあげようかね。」

「んだんだ。」

 

いやいやいや、そんな悠長なこと言ってる場合じゃない!!

返してーーー!!!さんまを返してーーーー!!!

日本まで北上してくるまでに捕りつくさないでー!!!

 

 

さんまの資源が減少しているという事実は各国で共通認識としてあり、2015年には乱獲を防ぐ国際ルールを作るために、「北太平洋漁業委員会(NPFC)」が発足したそうです。

参加国は日本、ロシア、中国、台湾、韓国、バヌアツ、アメリカ、カナダ。

けれど、これだけの国が集まればなかなか意見は揃わず、2018年までさんまの漁獲枠導入は見送られ続け、その間にも資源状況はどんどん悪化したとか・・・。

 

もーー!!ちょっとー!!ズルズルとやってっから日本のさんまが減っちゃうんですよー!!

はぁぁぁ、うなぎと言いさんまと言い、どんどん水産資源が枯渇していくー。。切ない。

 

ようやく2019年4月のNPFC科学委員会で、「17年の資源量は1980年以降で最低の水準にある」との認識で加盟全8カ国・地域が初めて一致したそうですが、いやいや遅い遅い!!

大切なのは、認識が一致して、さぁこれからどうするのか、でしょ!?ねぇ!!

 

 

返してーーー!!さんまを返してーーーー!!!!

「綾波を・・・返せ!!」と、目を赤くしたシンジくんばりに真剣にお願いしたい!!

返してくれなきゃ、サードインパクト起こしちゃうぞ♡

 

 

 

でね、先日ニュースをぽちぽちと見てたら、「さんま漁船転覆」とあるじゃないですか!!

事故の概要は以下。

北海道根室市の納沙布岬沖で、17日にサンマ棒受け網漁船「第65慶栄丸」(29トン)が転覆。

「第65慶栄丸」には8人が乗船されていたそうで、船長だけが操舵室で遺体となって発見。

他7名は行方不明だそうです。。

 

この事故は、例年のさんま漁なら出漁しない遠くの海域で起きたそうです。

「史上最悪」とも呼ばれる今季のさんま不漁の影響で、漁師たちは魚影を求めて遠洋に出漁を迫られている、とも書いてありました。

 

いやー、、、本来であれば行くこともなかったであろう遠洋での転覆事故。。

さんまの不漁が間接的な原因で死亡事故ですよ。

いやー、つらいね。。。

 

 

乱獲も大きな原因の一つですが、海洋環境の異常によるところも大きいそうです。

今年は北海道近海の水温が3~5度ほど高いらしく、さんまの群れが寄り付かないとか。

群れがいるであろう公海まで出て苦労して捕っても、小ぶりで脂がのってない個体ばかり。

 

もうこれまで食べてきたような、身のふっくらとした脂乗りの良い大ぶりなさんまは高級料亭でしか食べられないような代物になってしまうのかもしれません。

 

あぁ、さんまよ、もう一度わが食卓へ戻って来ておくれ。

と切に願う、そんな2019年の秋なのでした。

 

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