【3000文字チャレンジ】温泉に浸かって「んはぁぁぁあああ・・・」っていう瞬間、最高ですよね。
- 2020.03.07
- 雑記
- 3000文字チャレンジ, 快感, 温泉, 神様
3000文字チャレンジ!! お題:温泉、神様
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良い湯だなぁ~あははん♪
良い湯だなぁ~あははん♪
誰しもが一度は聞いたことがあるであろうこのフレーズ。
ぼくは漠然とドリフの歌かと思っていましたが、そちらは替え歌であり、元はデューク・エイセスというコーラスグループの全国ご当地ソング「にほんの歌」シリーズの群馬版として「いい湯だな」という曲があったそうですね。
元の曲の作詞は永六輔さんですって。
はぁー!さすがキャッチーな歌詞を紡ぎだされる。
一度このフレーズを耳にすると、一瞬で刷り込まれますよね。あははん。
永六輔さんと言えば「せき、こえ、のどに浅田飴」とちょっと特徴的な滑舌(失礼)のCMが昔ありましたよねー。懐かしい。食べたことないけどね、浅田飴。のど飴は龍角散ばかり買っちゃうの、ごめんね。
のど飴の話じゃなくて、今回のお題は「温泉」ですよ、温泉。
良いですよねー、温泉。
日本が誇る文化の一つです。
地震大国、火山たくさん、色んな自然災害リスクと引き換えに得た極楽の地、それが温泉ですよ!!
人も、サルも、カピバラだって温泉入って癒されちゃう。
鄙びた温泉旅館に行って、日常の煩わしいこと全部脱ぎ捨てて、全身にお湯の温かさを感じて。
家のお風呂とは違って足も悠々と伸ばして、肩までとぷんとお湯に浸かった瞬間に、身体の内側の深いところから勝手に「んはぁぁあああぁぁああああ」って声が出ちゃうんですよねー。
あははん、どころじゃないんですよ。
「んはぁぁあああぁぁああああ」ですよ?
Do you understand?
声出しちゃうのおじさんっぽくていやだーって?
うるさい、黙れ、小童が。
日々の疲れを癒すときくらい自由にさせろってんだ。
・・・おっと、荒い言葉遣い失礼。
まぁ、人がたくさんおられる際には声出すの我慢しちゃうんですけどね。
それでも、この勝手に出てくる声を全開放するのと我慢するのでは、快感度に雲泥の差があるわけですよ。
たぶん声に乗って色んな穢れやストレスや、なんやかんやが出てきているのでしょう。
いやはや、まさにデトックスですねぇー。
温泉に浸かって一発目のこの「んはぁぁああぁぁあぁあああ」が出たタイミング。
これが温泉入浴における絶頂の刻です。
そこからは惰性であると言っても良いのですが、それでもせっかくの温泉ですよ。
どうぞゆっくりしていってくだしゃんせ。
内風呂でゆったりと身体を温めて、頃合いを見て露天風呂へ。
冬の露天風呂こそ至高です。
39~40度程度の少しぬるめのお湯に身体を溶かして、頭は冷たい外気に晒してまさに頭寒足熱。
雪のちらつく景色なんかを見ながら、いつまでも癒しの湯に遊びたくなるってもんです。
鄙びた温泉旅館にはあまり見かけないですが、銭湯なんかだと温泉と共にサウナがありますよね。
先日サウナに入る機会があったので、久々に入りましたが、あれは良いですね。
ある種のトランス状態を感じることができます。ハマる人が続出しているのも納得です。
熱いサウナに数分→水風呂→サウナ→水風呂→サウナ→水風呂を幾度か繰り返し、浴室を出てリラックススペースでほっとした時、まさに「ととのったぁぁぁああああ・・・」という状態になれます。
身体の中では、サウナ=熱くて死ぬ、水風呂=冷たくて死ぬ、という生命の危機が繰り返されることによって交感神経が極限まで高まり、そしてようやくの常温でのリラックス状態で副交感神経優位へと自律神経のスイッチングがなされ、身体がリブート(再起動)するんですと。
この時、血流が全身を駆け巡り脳内にまで酸素が行きわたり、β-エンドルフィン、オキシトシン、セロトニンがどばどばと分泌されてとてつもない多幸感を感じることができるんですが、これがいわゆる「ととのったー」という状態の正体だそうです。
血流が良くなり、身体の疲れも一気に吹き飛び、メンタルも安定する、と良いこと尽くめ!!
はぁぁ、こうして書いているとサウナ入りたくなってきますね。
さてさて、話を温泉に戻しましょうね。
ゆったりまったりお湯に浸かり、日々の疲れや穢れを湯に溶かしましょう。
そして身体も心もゆるゆるに解された頃、口をついて出るのがこの言葉ですね。
分かりますよね?
せーので言ってみましょうか。
はい、せーの。
「よきかな」
はい、出ました、「よきかな」。
皆さま、もちろん正解されたことかと思います。(正解されたことかと思います。)
2001年の公開から日本映画興行成績第1位に燦然と輝くジブリの名作「千と千尋の神隠し」。
その中で、湯屋に来られた「オクサレ様」が身の内に抱えた穢れを全て吐き出して本来の「河の神様」の姿に戻られた瞬間に出たあの一言ですね。
翁の能面のような顔をした河の神様の、満足そうな笑顔が印象的なあのシーン。
「よきかな」のたった四文字で、最大限の満足感が伝わってきますよね。
神様も色んな汚れをその身に引き受けてご苦労なことです。
湯屋でゆっくりと癒されてくださいな。
そうそう、神様と言えば、温泉に縁の深い神様がいるのをご存じでしょうか?
八百万の神々がおわす日本ですから、温泉の神がおられても何ら不思議ではないですよね。
ぼくは愛読書の一つである、浅葉なつさんの「神様の御用人」という小説で知ったんですけどね。
神様からの頼み事を良彦という青年がドタバタと苦労しながら叶えていく物語で、2020年3月時点で8巻まで出ています。
(「神様の御用人」のもっと詳しい内容をまとめた記事のリンクを最後に貼るので、興味がある方はそちらもどうぞ。)
温泉に縁のある神様は「神様の御用人」の2巻に出てきます。
その名は「少彦名神(スクナビコナノカミ)」。
医薬やまじない、穀物や酒造など様々な知識を持っていて、国造りにあたっては「大国主神(オオクニヌシノカミ)(=大己貴神(オオナムチ))」を助けた博識の神であり、あの一寸法師のモデルともなった神様と言われています。
作中では、体長10㎝程の小さな好々爺として描かれます。
彼の願いは、かつて国造りの旅の途中で病に倒れた際に、大国主神と共に入った温泉の心地良さが忘れられず、もう一度そのぬくもりを感じたい、というものでした。
御用人である良彦はドラッグストアで様々な入浴剤を買い込んで、茶わん風呂を入れては少彦名神に試させるのですが、その姿はゲゲゲの鬼太郎の目玉おやじの入浴シーンを彷彿とさせるもので、何ともおもしろいんですよね。
そこからの顛末は小説をご覧いただくとして、少彦名神と大国主神の二柱による国造り道中の湯治に関する物語は風土記(正確にはすでに失われた伊予国風土記から引用した文献)などにも残っているそうです。
作中ではこんな風に書かれていました。
『神代、大国主神と少彦名神が出雲の国から伊予の国へと旅をしていたところ、長旅の疲れからか少彦名神が急病を患った。その際大国主神が、少彦名神を手の平に乗せて、道後の温泉に浸し温めたところ、たちまち元気を取り戻し、喜んだ少彦名神は石の上で踊りだしたという』(引用:浅葉なつ「神様の御用人2」p.34-35)
さすが一寸法師のモデルとなった神様です。大国主神の手の平に乗るほどに小さい。
いや、もしかしたら大国主神がとてつもなく大きい神だったのかもしれませんが。
いずれにせよ、神代の頃から温泉というのは身体の調子を整えたり、病気を治すのに使われていたんですね。
道後温泉と言えば、愛媛県松山市にある日本最古の湯の一つですね。
大学生時代に一度行ったことがありますが、気持ち良かったなぁー。
こうした経緯があり、少彦名神と大国主神は「温泉の神」として日本各地の温泉地にある神社で祀られているそうです。
どこかの温泉地で祀られているのを見かけたら、二柱の間に上のような話があったことを思い出していただければと思います。
さて、最後におまけ話としてこの二柱のおもしろいお話を一つ。
(下品なお話なので、お食事中の方はご遠慮いただいた方が良いかと思います。)
この少彦名神と大国主神は国造りの旅の途中で、色々とくだらない言い争いや賭けのような遊びもしていたそうです。
その中でも一番くだらない賭けが
「粘土運びVSう〇こ我慢比べ」
もうこの時点で頭悪くておもしろいですよね。
何だか日本の神話の、こういう抜け感というかおおらかな部分って良いなぁって思います。
このお話は播磨国風土記にあるんですが、
ある時少彦名神が
「ハニ(粘土)の荷を肩に担いで遠くまで行くのと、大便を我慢して遠くまで行くのとでは、どちらが我慢出来るんだろうね?」
と大国主神に持ち掛け、小さな少彦名神がハニの荷を持ち、大きな大国主神がう〇こを我慢することになったそうです。
いや、小学生か悪ノリの過ぎる大学生のテンションですよね、これ。
企画内容が再生回数10回くらいのYoutuberかよ、っていうね。
重い荷を担ぎ序盤戦からツラそうな少彦名神と、悠々と歩いていく大国主神。
その後二柱は数日間歩き続け、気になる結果はというと・・・。
ある日突然、大国主神が「もうダメだ!!!我慢できない!!」と叫び、その場にしゃがみこんで脱糞!!
その際「んはぁぁあああぁぁああああ」と大国主神が叫んだとか叫ばなかったとか・・・。
勢いよく出たう〇こは笹の葉にはじかれて飛び散ったそうで、その地を「波自加(初鹿野とも)」と呼ぶようになりました。
それを見て、少彦名神も「私ももう限界だ!」と道端にハニの荷を降ろしました。
その場所は「埴岡里(はにおかのさと)」と呼ばれるようになったそうです。
この地は現在の兵庫県神崎郡神河町あたりだそうです。
機会があれば行ってみたいですが、便意は我慢せずに行こうと思います。
気持ち良い温泉の話だったはずが、なぜかう〇この話で終わっちゃいました。
お目汚し失礼しました。あははん。
3月に入り、少しずつ暖かい日が訪れていますが、まだまだ三寒四温の候。
寒い日に縮こまった身体を湯に浸すのは、まさに命の洗濯でもあります。
神であれ、人であれ、動物であれ、自然からの贈り物である温泉に癒されようではありませんか。
今回はこんなところで。
ではでは。
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(神様の御用人の記事はこちらからどうぞ↓)
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