おすすめ! 神様の御用人1巻 あらすじ・登場人(神)物・感想まとめ
どうも、やーさん(@ohokamudumi)です。
みなさんは神様って信じますか?
いや、何も宗教や怪しい話をしようってわけじゃございません。
最近ハマってる小説(ライトノベル)で「神様の御用人」という本がありまして、これがもうとてもおもしろくて、時に感心して、時に泣けて、あとたいがいモフモフしてて(笑)、とにかく良い話がたくさん出てくるんですよね。
現在1~8巻まで出ているのですが、今回は「神様の御用人」シリーズの1巻に出てくる神様と各エピソードのあらすじ・感想をまとめていきたいと思います。
第1話だけ完全ネタばれであらすじ紹介させてください!ファンの方には一緒に楽しんでもらえたら嬉しいです!まだ読んだことない方には、この素晴らしい作品に少しでも興味を持ってもらえると嬉しいです!
ではいってみましょう!!
「神様の御用人」シリーズとは?
まずは「神様の御用人」シリーズの説明から。
『神様の御用人』(かみさまのごようにん)シリーズは、浅葉なつによる日本の小説。イラストはくろのくろ。アスキー・メディアワークスのメディアワークス文庫から発売され、シリーズ累計95万部突破している。また、2015年に「B’s-LOG COMIC」の2015年10月1日発売号よりコミック連載も開始された
引用:wikipedia「神様の御用人」より
第1巻が2013年12月25日に発売されて、2018年11月24日に8巻が発売されました。
上の情報にあるようにコミック連載もされていましたが、漫画版は2018年12月に発売された第4巻をもって一旦終了となっています。
作品を通してのあらすじと魅力
かつてのように神と人がお互いを高め合い、支え合うといった関係性ではなくなった現代。
力を削がれたことによって満足に自らの用事すら済ませることができなくなった、現代の神様の願いを聞いて回る“御用人”に任命された青年の物語です。
古事記や民話に登場する八百万の神々がたくさん登場しますが、どの神様たちもそれぞれに悩みを抱えています。
その悩みやお願い事はとても人間味溢れる内容で、無理難題も多く、ただの人間である御用人は様々な人脈や時には神脈(?)を使って毎回苦労しながらも問題を解決していきます。
御用を通して成長していく青年の姿と、協力してくれる人達との人間関係の深まり、そして神々の知られざる姿や秘密が史実とフィクションを織り交ぜて時に壮大に、時にとても身近に感じられるように描かれています。
作者は浅葉なつ先生
作者は四国生まれ、関西在住の浅葉なつ先生。
2010年第17回電撃小説大賞でメディアワークス文庫賞を受賞されて、「空をサカナが泳ぐ頃」で作家デビューされました。
ぼくが初めて読んだ浅葉なつ先生の本が「香彩七色~香りの秘密に耳を澄まして~」でした。
(この本もおもしろくておすすめです!!)
浅葉なつ先生の本は、全体的に温かみのある雰囲気で、個人的な感想としては優しい気持ちになれる文章を書かれる作家さんだなぁという印象です。
女性的な柔らかさが至るところから感じられて、読むととても癒されます。
「神様の御用人」1巻
記念すべき第1巻です!!表紙はこんな感じ↓
神社の鳥居の前でじゃれる(?)青年とキツネ。
夏の日差しの中、階段や鳥居に落ちる木影がとても美しく描かれています。
キツネのモフモフのしっぽがとてもかわいいですよね。
そして「神様の御用人」のフォントデザインがキツネっぽくなっているのもステキです。
物語の始まり ーあらすじー
物語の舞台は有名な寺社仏閣がたくさんある古都、京都。
表紙に描かれている青年が主人公である萩原 良彦です。
萩原 良彦(はぎわら よしひこ)
霊感のような特殊能力も、神仏に対する知識もほとんどないただの人間。
野球一筋で甲子園出場も果たしたスポーツマンで、大学卒業後は社会人野球チームを持つ企業に就職しましたが、右膝半月板故障と、会社経営の悪化による野球チームの廃止という最悪の出来事が重なり、入社半年で退社しフリーターになりました。
良彦はある日、街で餅をのどに詰まらせて苦しんでいる一人の老人を助けます。
その老人は1年前に亡くなった良彦の祖父の知り合いだと言い、一冊の朱印帳のような緑色の冊子=宣之言書(のりとごとのしょ)を渡しこう言いました。
「おまえさんなら、立派に役目を果たせるだろうよ。あとのことは狐に聞いてくれ」
引用:神様の御用人 1巻 23pより
その冊子には1ページごとに毛筆で書かれた難しい漢字が並んでいて、様々な朱印が押されていました。
いきなりのことで「???」状態の良彦でしたが、次の日その冊子に新しい文字が増えていることに気付きます。
そこには薄墨で「方位神」と書かれていました。
これが全ての物語の始まりです。
1巻 一柱 「狐と抹茶パフェ」(ネタばれ失礼!)
「方位神」とは何か分からない良彦は、高校時代からの親友であり、今は神職に就いている藤波 孝太郎を訪ねます。
藤波 孝太郎(ふじなみ こうたろう)
京都府内にあるわりと大きな神社の跡取り息子。神職の専門学部がある東京の大学を卒業後、実家には戻らず京都の大主神社へ神職見習いとして奉職し、現在は権禰宜となっています。
容姿も愛想も良くて、神社に通うマダム達から爆発的人気を得ており、神社からも期待の新人として受け入れられています。「神社経営は、ビジネスだ」と言い切る超現実主義者な一面もあります。
良彦は孝太郎に、大主神社の末社にも「方位神」が祀られていることを教えられます。
その場に行ってみるとそこには鮮やかな萌黄色の瞳とモフモフの尾をもった人語を話すキツネがいました。
突然の「神」との出会いに驚く良彦。
高飛車な物言いをするそのキツネこそ、宣之言書に浮かび上がった「方位神」でした。
方位神の口からは、その毛並の色から他の神々からは黄金(こがね)と呼ばれていることや、良彦の祖父が先代の御用人であったこと、御用人の使命とは何か、そしてなぜただの一般人である良彦が御用人(正確には御用人代理)に選ばれたか、ということが語られます。
全ての事情は呑み込めない良彦でしたが、「亡き祖父の願いの続きが果たせる」という使命感と「正式な御用人が定まるまでの代理人として」という言い訳をもって黄金の願いを聞くことにします。
黄金の願い、それは
「日本の人の子が再び神祭りに目覚め、神に畏怖と敬いを持つように取り計らうこと」!!
・・・
・・・・・
・・・・・・・
いやいや、いきなりそんな無理難題を押し付けられても無理!と断る良彦。
畿内の人間の意識だけでも変えてくれと食い下がる黄金。
もっと簡単に叶えられる他の願いはないか?例えば何か食べたい物とか?と尋ねる良彦。
わしは神だぞ、人の世の食べ物になど興味はないわと嘆息する黄金。
そんなやりとりをする一人と一柱でしたが、
ふと、良彦が見つけたのが賽銭箱の後ろに落ちていた「京都グルメガイドブック」。
しかもスイーツ特集の都路里のページに大量の肉球マークが(笑)
「食べたいんだ?抹茶パフェ・・・」と言う良彦に慌てて弁解する黄金。
すると突然 宣之言書 が光り、薄墨で書いてあった文字が改めて筆でなぞられるように黒々と「方位神」の文字が描かれました。
薄墨で描かれていた神様の名前が黒く描かれると、御用が受理された証となるようです。
慌てる黄金。
「大神様、わしは認めませぬぞ!このような御用のために、わしの名を出したというのですか!?」
引用:神様の御用人 1巻 63pより
「御用って許可制なの?」と尋ねる良彦に
「宣之言書は高位の大神様が創ったものであり、どの御用を受理するかは大神様の御心次第なのだ・・」と黄金が返します。
かくして、モフモフキツネ方位神である黄金の願いは「抹茶パフェを食べる」ことになり、祇園の都路里で抹茶パフェを食べるシーンが描かれます。
周りの人には見えない黄金と良彦が都路里でパフェを食べるシーンがとても面白くて大好きです!やいのやいの言いながら、パフェを食べてその美味しさに身体を震わせる黄金がかわい過ぎるっ!!www
そしてこの御用に不服を唱える黄金は、「御用のやり直しをするまで帰らない」と良彦の家に居着くようになります。
こうして、御用人(代理)良彦 × スイーツ大好きモフモフ方位神 黄金の名(迷?)コンビが誕生しました。
こんな感じで毎回色んな神様の悩みを大神様が汲み取り、宣之言書にその神様の名を現し、御用人にそれぞれの神様の御用を聞いて回らせる、というストーリーが展開していきます。
ちなみに第一話の舞台である大主神社のモデルとなっているのは、京都大学の西側にある吉田神社だと言われています。
学生時代、節分の時とかによく行ったなぁー。懐かしい!
1巻 二柱 「名言スランプ」
2話目に出てくる神様は「一言主大神(ひとことぬしのおおかみ)」。
今回の舞台は、奈良県御所市にある葛城一言主神社。
地元では「一言(いちごん)さん」と呼ばれ、一言の願いであれば何でも聞き届ける神様として信仰されています。
気性の激しい暴君として有名な雄略天皇をも跪かせた名神としても名高い神様も、今では力を削がれ、見た目は中学生の男の子。
しかもある日の出来事を境に、自分の存在意義が分からなくなり、本殿へ引きこもってオンラインゲームに没頭しているという有様。。
境内にそびえる樹齢1200年以上を数える銀杏の木の精霊「お杏」さんも、一言主の今の状態に心を痛めている様子。
ひきこもりになった神様を良彦&黄金は救えるのか?というお話です。
まず神様がひきこもってオンラインゲームやってる設定に驚きますよね!!おもしろい!!お話自体は一言主大神の優しさや、友情の素晴らしさを感じるとても良いお話です。
1巻 三柱 「龍神の恋」
第3話に出てくる神様は「大神霊龍王(おおみたまりゅうおう)」。
舞台は滋賀県大津市の瀬田川にかかる唐橋です。
唐橋の東詰めにある勢田橋龍宮秀郷社に祀られているのが大神霊龍王であり、別名「橋姫」とも呼ばれています。
お話の中の橋姫は、くすんだ濃紺の打掛を纏い、長い髪は艶がなくパサついているが、美しい目鼻立ちの40代位の女性として描かれています。
その橋姫の願いは瀬田川で部活を行っている「ボート部を即刻この川より撤退させよ」というこれまた困った内容で。。。
その原因が、小さな蛇になってうたた寝しているところを、ボート部の部員に踏まれて腰が痛いから、と言うのだから性質が悪い。
さぁ、この無理難題に対して良彦はどう御用を遂行するのか?というお話です。
ヒステリックなおばさんの困った御用的な雰囲気で始まるこのお話ですが、途中からちょっときゅんとするような恋物語も出てきてとても楽しめました。古くから伝わる民話とフィクションの融合がとてもうまいなぁと感じたお話でした。
1巻 四柱 「ゆく年くる年」
第4話に出てくる神様は「大年神(おおとしのかみ)」。
舞台は大みそかの京都。良彦が御用人代理となって4か月が過ぎたころのお話です。
「大年神」は「歳徳神(としとくじん)」とも呼ばれ、新年に福をもたらす神です。
今回のお話のキーパーソンはその大年神ではなく、近所に住む小学校低学年くらいの男の子・友弘。
孝太郎によって大主神社での手伝いに駆り出された良彦を、神様の知り合い(神社関係者)と思い接触してきます。
友弘は何か神様にお願いしたいことがある様子で・・・。
今回はモフモフ方位神の黄金がいない中での御用。さてさてどうなることやら。というお話です。
良彦のことをニート呼ばわりする小憎たらしい友弘くんの秘めたるささやかな願い。それに寄り添う神様の温かさにほっこりするお話でした。今年も残すところもうわずか。新しい年を迎えるにあたって、正月飾りなんかもちゃんとして、大年神様をしっかりとお迎えしなきゃいけないなぁと思いました。
おわりに
「神様の御用人」1巻の登場人(神)物・感想まとめでした。
この本を初めて読んだのが、3年ほど前だったように記憶していますが、改めて読んでも本当におもしろいなぁと感じます。
この1巻に限らず、どの話も人と神の絆であったり、誰かを「想う」ということの大切さや尊さが描かれていて心に染みるんですよね。
ところどころに笑える表現が用意されているのもポイントが高いです。
(黄金のことを「高性能狐型ナビ」とか「モフモフ神名検索器」って書いてるのツボです(笑))
古事記や日本書紀はたまた民話に出てくるお話と、フィクションがうまく織り交ぜられているのも魅力ですね。
また続きの巻のあらすじや登場する神様、感想をまとめていきたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました!
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