【3000文字チャレンジ】「この世界の王に私はなる!」と誓った10歳の頃。

【3000文字チャレンジ】「この世界の王に私はなる!」と誓った10歳の頃。
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3000文字チャレンジ お題「10歳の頃」

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「どんな呪文だ!教えろその言葉を!!」

 

数時間前のことだが私は興奮しながら、蒼き光と風が渦巻く部屋で少女を恫喝していた。

少女は自分がしたことを理解出来ていない目で私を見据えた。

その目に浮かぶ色は焦りと恐怖。

こんな年端も行かない娘が「真の王」とは笑わせる。

 

聖なる光を取り戻し、周囲の空気までも震わしていた少女の首元にかかるそれは、私が幼少のころから手中に収めたいと渇望していたものだ。

 

触れようとするも、私を拒絶するかの如く弾く見えざる力。

王を守り、王の帰還の道を示すその石。

 

いくら古文書を解読しても、封印された聖なる光を蘇らせる呪文だけは「真の王にのみ伝えられる」としか書いていなかった。

 

私は幼少のころからその石の在り処と、王のみが持つその呪文をどのように知るべきか、ということばかりに頭を悩ませていた。

 

しかし、その呪文こそ知ることができなかったが、今こうして石が秘めていた聖なる光は復活し、私の手元にある。

 

蘇った聖なる光は、もう動かないだろうと思っていたロボット兵を蘇らせ、強固な城塞を一瞬の内に半壊させた。

 

まるで軍隊の一個大隊による一斉砲撃のような惨状の中で、私も危うく命を落としかけた。

 

その時の恐怖は忘れようもないが、それ以上に私の心を捉えて離さなかったのは、その圧倒的なまでの「力」だった。

たった一体であの破壊力だ。

 

この航海の終着点で私は、世界の全てを支配できる力を得ることになろう。

 

「くくくく、、、ははは、、、はっはっはっはっはーーー!!!!!」

 

おっと、いかんいかん。

あまりの興奮に一人笑いしてしまった。

近くに黒メガネどもがいなくてよかった。

 

 

それにしても早朝からの大騒ぎで何も食べていないんだったな。

何か食べ物を・・・。電話で頼むとするか。

 

 

(プルプルプルプル・・・ガチャ)

 

「はい。」

「私だ。ムスカ大佐だ。」

「はっ!何か御用でございますか!」

「何か食べ物を私の部屋まで頼む。」

「はっ!!少々お時間をいただきますが、よろしいでしょうか!!」

「いいだろう。3分間待ってやる。」

「はっ!了解しました!」

「あぁ、それと私の部下に、例の極秘資料を持ってくるように伝えてくれ。」

「極秘資料ですか、、了解しました!!」

 

(ガチャ。)

 

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ふぅ。

航海は今のところ順調のようだな。

聖なる光は絶えずラピュタを指し示している。

この最強の軍事戦艦「ゴリアテ」であれば、どんな困難な場所であっても辿り着けるだろう。

 

しかし「ゴリアテ」とはな。

ゴリアテは、旧約聖書の「サムエル記」に登場する、約3メートルもある体躯に、60キロ近い銅の鎧を纏っていたとされるペリシテ人の巨人兵士のことだ。

イスラエル王国の兵士と対峙し彼らの神を嘲ったが、羊飼いの少年であったダビデが放った石を額に受けて昏倒し、自らの剣で首をはねられ死んだ。

この故事から、弱小な者が強大な者を打ち負かす喩えとしてよく使われるのだが、そんなところまでは考えが及んでいないネーミングとも言えるな。

制服さんの悪い癖だ。表面上のことばかり見てしまい、物事の裏側までしっかりと見る力がない。

だからこそ操りやすいのだがな。

彼のアホ面を見るのは正直うんざりしているが、モウロ将軍閣下にはもう少しの間働いてもらうことにしよう。

 

 

世界を空から支配する。

ラピュタ王になるまでもうあと少しだ。

長かったのか、短かったのか。

運命の歯車は急激に動きだし、そして全ては私を中心として回っている。

 

 

思えば、父から私の真の名を知らされたのが10歳の頃。

私の真の名は「ロムスカ・パロ・ウル・ラピュタ」

パロは従属、ウルは王。

ラピュタ王家の分家ということになろうか。

地上に降りたラピュタ王家は2つに分かたれ、本家には石が、分家である我が家系には古文書が伝えられたという。

 

真の名を知った10歳の頃から今日のこの日まで、年数にして22年間に渡り、私のラピュタへの熱い想いは途切れることなく、この身体を動かし続けている。

 

誰よりも深く研究した。

誰よりも多くの努力をした。

誰よりも悪に手を染めもした。

どれもこれも真の王とならんが為に。

 

父も祖父もそのまた祖父も、長きに渡り地上でラピュタへの帰還を願いながらも、その願いが叶うことは無かった。

政府、軍、海賊、闇の組織、、、何世代もの時間をかけてさまざまな組織に介入し、ようやく私の代になり政府の密命を受ける特務機関への潜入を果たしたのだ。

そして近年の航空科学の目覚しいまでの発展も、ラピュタ探索に非常に有効に働いている。

 

まさに時は来たれり、だ。

 

 

少し私自身の話をしようか。

私のこの金色の目や茶色い髪は、父からの遺伝でも母からの遺伝でもない。

昔はそのことでずいぶんからかわれもしたが、どうやらこれは先祖帰りの一種のようだ。

もしかするとかつてのラピュタ人の特徴を発現しているのかもしれない。

 

そして私には勉学の才があった。

それこそ神童と呼ばれるほどに。

10歳の頃にはすでに高等教育課程を修了するほど優秀だった私に、祖父も父も期待したのだろう。

彼らは熱い想いを持って、私にたくさんのことを教えてくれた。

 

対照的に、常におとなしかった母は口数も少なく、私にいつも慈悲深い眼差しを向けていてくれた。

 

15歳の頃には父に習い拳銃を握っていた。

その当時から中折式のリボルバー銃を使っていたのだが、この手に馴染んだ銃であれば、物語で読んだことのある銃の名手たちにも引けを取らないと自負している。

ノビタ・ノビや、リョウ・サエバ、ダイスケ・ジゲンとも対等に勝負できるはずだ。

 

 

幼少の頃より、父から教えられたことは「力こそ全て」ということだ。

単純な腕力であったり破壊力はもちろんだが、それ以上にそういった力を行使できる「権力」。

それこそ我がラピュタ王家が取り戻さなくてはいけない「力」だ。

 

私は代々家に伝わるラピュタ語で書かれた古文書を研究し、古代から伝わる旧約聖書やラーマヤーナ、マハーバーラタなどの異国の文献も全て読み解いた。

 

古文書だけではない。

実際にラピュタの姿を見たという男の本も読んだ。

あの男が本当にラピュタを見たのかどうかの真偽はともかくとして、本は実によく書かれていた。古文書に書かれた文献と合致する点もいくつか見られた。

その想像力の豊かさ、具体性に富んだ内容に危惧を覚えた私は、特務機関に入ってから暗殺部隊にその本の作者である男の抹殺を依頼した。

彼を詐欺師扱いするような噂も流布させて、人々のラピュタへの関心を逸らせたのだ。

まぁ、そんなことは私がこれまでに行ってきたことの中では些細なことだ。

 

ラピュタなど本当に存在するのか、古文書が本物なのか、研究に意味があるのか、そういった疑問を持つこともあったが、しかし私は来る日も来る日も古文書を読み解いた。

それこそ、寝食を忘れて、視力がかなり悪くなってしまうくらいに没頭した。

 

さまざまな文献を読み解くことで、次第に明らかになってくる真実。

それはラピュタの本当の姿。

かつて恐るべき科学力で天空にあり、全地上を支配した、恐怖の帝国ラピュタの姿だったのだ。

 

私はその「力」に魅了された。

 

古文書に書いてあることが本当であれば、そして私の解読が確かであれば「ラピュタの雷」を放てば地上の小さな島など一瞬で消し去ることができる。

 

私が王になった暁には、盛大に天の火とも呼ばれた「ラピュタの雷」を放ち、地上世界にラピュタ王の帰還を知らしめてやろう。

そして、あの恐ろしい破壊力を持つロボット兵を意のままに操り、世界を恐怖に陥れてやろう。

 

何人も刃向うことができない圧倒的なまでの戦力!!

世界の全てが我が手中に!!

この世界の王に私はなるっ!!!!

 

 

 

「くくくく、、、ははは、、、はっはっ・・・!!」

(コンコン)

 

「(っちっ。間の悪い。最後まで笑わせろ。)開いているぞっ!!」

(ガチャ)

「失礼致します!!お食事をお持ちしました!!」

「あぁ。ありがとう。そこに置いておいてくれたまえ。」

「はっ!」

「・・・目玉焼き乗せパンとリンゴと飴玉だと・・・?しけた物しかないのだな。」

「はっ!!申し訳ござません!!」

「まぁ良い。。下がってくれ。」

「はっ!!」

 

(コンコン ガチャ)

「ムスカ様。極秘資料をお持ちしました。」

「あぁ。で、どうだ。あの少女の撮影には成功したのか?」

「それが、撮影には失敗したようです。その代わりに係りの者が自身のコレクションをこの封筒の中にお入れしたと申しておりましたが・・・。その者が少し変わった趣味の持ち主でして・・・。」

「そうか・・・。ラピュタに着けば当分は男所帯だからな。何か慰み物があればと思ったのだが。。」

「・・・・(変態ロリコン野郎め)。では私はこれで失礼します。。」

 

「はっはっは。どこへ行こうというのだね。」

「・・・???持ち場へ戻ろうと思ったのですが。。」

 

「まぁそう焦るな。一緒にこのコレクションとやらを見ようではないか。」

「・・・はぁ。・・・承知しました。。(いやな予感しかしないぜ)

 

「では開けるぞ。どんなお宝が出てくるか・・・。なっっ!?!?!?!!!!」

 

 

「こっ!!!これは!!!!まさかの・・・ドーラのセクシーショット!!???

 

 

 

『へぁぁぁーー、はぁぁ、目がぁー!目がぁーーぁぁぁぁぁぁぁ!!』

 

 

 

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(その頃、タイガーモス号では・・・)

 

「へああぁぁっくしょぉぉいっ!!!!」

「どしたのママ?風邪ぇ?」

 

「バカ言うんじゃないよ!こんな大事な時に風邪なんてひいてたまるかぃっ!・・・誰かが私の噂してるね。」

「ひっひっひ。どうせロクでもない噂だろうね。」

「シャルルおだまりっ!!」

「ひぃぃっ!」

「さぁ、お前たち、ここからが正念場だよ!!ゴリアテに追いつくよーーー!!!」

『おぉぉぉっ!!!』

 

 

おしまい

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※この物語は二次創作物です。多分に私の妄想が含まれております。

※登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。

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あとがき

どうも、やーさん(@ohokamudumi)です。

Twitterの中でこぼりたつやさん(@tatsuya_kobori が企画されている3000文字チャレンジに挑戦!

ということで今回も3000文字チャレンジに挑戦してみました。

今回のテーマは「10歳の頃」。

 

本当は自分の10歳の頃を振り返って思い出を書こうと思っていたのですが、、、。

 

4歳の長男が「天空の城ラピュタ」が好きで、よく見ているんですね。

ぼく自身も大好きな作品で、人生において100回は見てると思うんですが(笑)

 

で、先日一緒に見てる時に、そういやムスカってどんな幼少時代を過ごしてたのかなぁーなんて考え始めて、今回のお話しとなりました。

二次創作って初めてやってみましたが・・・なかなか難しいですね。。けど楽しい!!

彼の名台詞やシーンなど色々と出してみましたが、出来栄えはいかがでしょうか。

少しでもクスッとしていただけると幸いです。

 

 

さて3000文字チャレンジもどんどん参加者が増えて盛り上がりを見せています!!

今回は参加者のみなさん、どんな「10歳の頃」を書かれるのでしょうか。

書くのも読むのも楽しい3000文字チャレンジ!あなたも参加してみませんか?

 

 

この記事を偶然見てくださったあなた!!

すぐにTwitterで「#3000文字10歳の頃」「#3000文字チャレンジ」などで検索して読んでみてくださいね!!

きっとたくさんのおもしろい話に出会うことができますよ!!

 

 

最後に、こぼりさんのルール説明の中で

・否定&批判コメント禁止! 物好きたちが好きで勝手にやってることです。そっとしておいてやって下さい。もちろん、お褒めのコメントは無限に欲しいです。

とありますので、何卒温かい目で見てください。

 




 

やーさん

最後までお読みいただきありがとうございました!

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