【日記】2020/9/1 東の野にかぎろひの立つ見えて
9月始まりましたねー。
和風月名で9月は長月と呼ばれますね。
由来は諸説あれど、やはり「夜長月」が略されて「長月」となったのが有力なようです。
日に日に、日の出は遅くなり、日の入りは早くなって。
秋の夜長と言うにはまだ早く、まだまだ日中は残暑厳しいですが、徐々に秋の風が焼けた肌を冷ましていくのを感じる季節となってきました。
この時期の朝の空は「行き合いの空」とも呼ばれ、夏の空と秋の空が混ざりあい、とても美しくドラマティックな景色を見せてくれます。
日が昇るか昇らないかの時間帯の景色はとても静かで、それでいて雄弁です。
「かぎろい」と言うのでしょうか。
まだ顔を出し切っていない日の光が空気中に拡されて、光の芸術を作り上げます。
(1年前の2019年9月6日に撮影した湖畔の朝焼け)
このかぎろいを詠んだ有名な和歌があります。
「東の 野にかぎろひの 立つ見えて かへり見すれば 月傾きぬ」
万葉集に収められている歌聖・柿本人麻呂の歌です。
「東の野に、日の出前の光(かぎろい)の立つのが見える。後ろを振り返って見ると西の空に月は傾いてる。」
という雄大な自然美を詠んだ歌ですね。
◆
さて先日、安倍首相が突然の辞意を表明され世間を驚かせました。
7年半におよぶ長期政権。持病の悪化。突然の決断。
リアルでもネットでも色んな意見が飛び出て、株価はどーんと一時マイナス600円以上下がり大混乱。
ぼくのリアルの人間関係では左寄りの思想の人が多く、安倍首相はよく叩かれています。
いわゆる「アベガー症候群」、とまでは言いませんが、まぁそれに近しいものを感じることも。
逆に極めて右寄りの思想を持った知り合いも何人かいますが、まぁ激しいですね、色々と。
人の思想にとやかくは言えませんが、行き過ぎた思想は物事を正しく見る目を曇らせるなぁとは感じます。
ぼく自身は左とか右とか思想を極端に寄せずに、中道を行きたいものだと常々思っているわけでして。
安倍首相には、この「7年半の長きに渡り激務をこなしていただきお疲れ様でした。」と感謝を申し上げ、一方で「色々と盛ったり掛けたりで、八重の桜を散らせたかのように山積みになった問題の決着はいかがされるおつもりでしょうか?」とも言いたい気分でございます。
とは言え、大事なのは一人の人間として健康でいられること。
今はゆっくりと静養されて、病気が快復されることを願うばかりです。
まぁ、あまり政治思想の話を持ち出すとややこしくなるばかりですから、このくらいで話を畳みましょう。
本当はもっと色んな人が色んな意見を持ち寄って、平和的に社会を良くしていく術を話し合うことが出来れば良いんですけどね。
極めて単純で単調な短く歯切れの良いSNS映えする文章でズバっと切った思想が受け入れられやすい現代においては、どんどん話し合うこと自体が難しくなっていくようで、何だか危機感を覚えますね。
◆
さてさて、衝撃的な辞任劇のあとに巻き起こるのは後任問題ですね。
ニュース報道を見ていると、どうも菅官房長官が有力候補となる様子。
二階派も麻生派も細田派も菅さん推しなので、このまま決まりそうなんですかね?
あまり政治の世界の派閥なんかは詳しくないので何も述べられませんが・・・。
菅さんの経歴なんかを見ているとおもしろいんですよね。
まず名前からして「菅 義偉」って何て読むんだろう?って多くの人が思うところじゃないでしょうか。
ぼくも思いましたよ。
「すが よしひで」って読むんですよ。
「かん ぎい」みたいな中国の武将みたいな読み方ではないんですね。
カンギイ・・・。
キングダムとかで出てきたらたぶん相当な弓の名手っぽい。
何となくですけどね。
はい、人の名前で遊ばない。失礼しました。
Wikipediaの情報では、菅さんは秋田の生まれで高校卒業後、集団就職で「東京へ行けば何かが変わる」と夢を持ち上京するも、板橋区の段ボール工場で秋田時代と変わらぬ日々を過ごし現実の厳しさを痛感したそうですよ。
その後、法政大学第二部法学部政治学科を卒業。
卒業後は建電設備株式会社に就職、からの衆議院議員小此木彦三郎秘書を経て横浜市会議員となり、そして1996年の第41回衆議院議員総選挙に神奈川2区から自民党公認で出馬し、当選。
その後政治家として方々で活躍し、2019年5月に令和の元号を掲げ「令和おじさん」として一躍有名になられました。
首相候補となっている方の経歴を紐解けば、社会人としてのスタートを切った舞台は「板橋区の段ボール工場だった」、なんて聞くと何だか少し身近に感じますよね。
個人的には二世・三世議員よりは地道に努力してきた人を応援したくなっちゃいます。
完全に偏見ですけど。。
実際には菅さんのこと全然知らないですしね·····。
これから知っていきましょう。うんうん。
◆
さてさてさて、冒頭に紹介した和歌ですが、実は直訳通りの自然美を詠んだだけの歌ではないんですね。
「東の 野にかぎろひの 立つ見えて かへり見すれば 月傾きぬ」
実はこの歌は逝去した草壁皇子を月に、そしてその息子である軽皇子(後の文武天皇。聖武天皇の父。)を昇る朝日に例え、新しい天皇の活躍する様を暗示した歌にもなっているのだそうです。
雄大な情景を詠んだ歌の裏に隠された真意を知ると、とてもおもしろいですよね。
現代の首相を、古代の天皇に比肩させるような形でこの和歌を紹介するのもおこがましいというか、畏れ多いのは重々承知の上ではありますが、、、。
まさに今一つの歴史が動こうとしている中で、遥か昔に詠まれたこの歌を想うというのもおもしろいのではないでしょうか。
次にこの日本を背負って立つリーダーが、燦然と輝く朝日のような人物であることを祈りたいと思います。
今回紹介した和歌のエピソードなんかも載っててオススメの本はこちら↓
ご興味のある方はぜひ、手に取ってみてくださいね。
では、今回はこのへんで。
最後までお読みいただきありがとうございました!
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